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すなわち外交方面では、欧洲大戦が終熄(しゅうそく)に近づいて米国が世界の資本王となり得べき可能性が確立した時である。そうして、東洋の邪魔者日本に挑戦すべく、猛悪な排日案を挙国一致の一般投票で決議する一方、自国内に於ては資本主義社会に附きものの暗黒面組織(ダークサイドシステム)をぐんぐん拡大深刻化し初めた頃である。同時に人種的分裂と、物質の欠乏に悩む欧洲の地図の色が百色眼鏡(ひゃくいろめがね)のように変化し初め、露西亜(ロシア)と独逸(ドイツ)が赤くなり、又青くなり、伊太利(イタリー)に黒シャツ党が頭を上げ、西比利亜(シベリア)に白軍王国が出来かかり、満洲では緑林王(りょくりんおう)(馬賊王)張作霖(ちょうさくりん)が奉天(ほうてん)に拠(よ)って北方経営の根を拡げ、日本では日英同盟のお代りとなるべく締結された日仏協約が、更に一歩を進めて、英の新嘉坡(シンガポール)と、米の比律賓(ヒリッピン)に於ける海軍根拠地を同時に脅かすべく、仏領印度(インド)に関する秘密協商となって進行し初めていた。……と云えば、いい加減若い人達でも、その当時の眼まぐるしかった新聞記事の大活字を思い出すであろう。
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